2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ機能ルイス酸触媒による同一時空間反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106527
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 章夫 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20144438)
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Keywords | インジウム / エステル / ヒドロシラン / アリルシラン / ホモアリルエーテル / 連続反応 / 官能基選択性 |
Research Abstract |
これまでの研究におけるハロゲン化インジウムの化学に関して、その基本的性質や反応活性種について多くの知見を得ており、カルボニル基のアリル化・還元・還元的塩素化・還元的アリル化やアルコール・シリルエーテル・アルキルエーテル・アルキルハライドと様々な求核種とのカップリング反応やカルボン酸・エステルのフリーデルクラフツアシル化など多岐に渡る反応形式を開発してきた。本研究では、これらの反応を連続的に組み合わせた同一時空間反応の検討を行った。安定・安価なエステルを原料として用いた反応系の確立をめざし、温和な条件下において、ヨウ化インジウム触媒存在下アリルシランとヒドロシランを用いることによりエステルの脱酸素ヒドロアリル化を検討し、高効率で進行することを見いだした。ヨウ化インジウム存在下、エステル、ヒドロシランとアリルシランを反応させるとエステルのヒドロアリル化が効率よく進行し、ホモアリルアルコール誘導体が効率よく得られるた。また、ヒドロシランとエステルのアルコキシ部位の置換基を変化させることで、生成物がホモアリルエーテルとなる反応系も開発した。具体的には、ジクロロメタン溶媒中、触媒量のヨウ化インジウム存在下、メチルエステル、アリルトリメチルシランとジメチルフェニルシランとの反応を行うと目的生成物であるホモアリルアルコールを効率的に得ることに成功した。さらに、エステルとしてイソプロピルエステルを、ヒドロシランとしてトリエチルシランを用いた場合、エステルのアルコキシ部位が残存したホモアリルエーテルが生成することが判明した。
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Research Products
(6 results)