2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規多点制御型有機分子触媒の創製を基盤とするドミノ型反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106528
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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Keywords | 有媒触媒 / ドミノ反応 / テトラヒドロピリジン / イソインドリン / aza-森田-Balis-Hillman反応 / 不斉触媒 / 二重活性化 / 酸-塩基型触媒 |
Research Abstract |
キラルな二重活性化型有機触媒を用いるエナンチオ選択的アザ-森田-ベイリースーヒルマン(aza-MBH)反応の展開として、二種類のドミ反応を検討した。トシルイミンとアクロレインのaza-MBK反応において、反応中間体と、もう一分子のアクロレインとのドミノ反応を検討したところ、溶媒としてジクロロエタンを用い、0℃で反応を行った後に25℃まで昇温することで、高収率かつ高エナンチオ選択的にテトラヒドロピリジン誘導体を得ることに成功した。この反応では、マイケル反応/マンニッヒ反応/アザ-マイケル反応/分子内アルドール反応/脱水反応が連続的に進行している。トシルイミンに対して、アクロレインとメチルビニルケトンの二種類を同時に反応基質として用いた場合にはドミノ反応に展開できないものの、最初に生じたaza-MBH付加体をDBU存在下メチルビニルケトンと処理することで目的の三成分連結体を得ることができた。また、トシルイミンの分子内にマイケルアクセプターとして働くα,β-不飽和エステルを導入した反応基質を用いて、メチルビニルケトンとの反応を行ったところ、マイケル反応/マンニッヒ反応/分子内アザーマイケル反応/逆マイケル反応が連続的に進行し、他の方法では合成の困難なイソインドリン誘導体を最高93%eeで収率よく得ることができた。得られたイソインドリン誘導体は、種々の反応により高い光学純度を保ったまま様々な誘導体に変換可能であった。今後、医薬品の合成中間体としての利用が期待できる。
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Research Products
(5 results)