2010 Fiscal Year Annual Research Report
梯子状ポリエーテル天然物のマイクロフロー合成
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106530
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 徹 大阪大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90241520)
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Keywords | 梯子状ポリエーテル / 天然物 / マイクロフローリアクター / フローマイクロ合成 / 還元的エーテル化 / イェッソトキシン / α-シアノエーテル法 / 化学合成 |
Research Abstract |
当研究室では,梯子状ポリエーテル合成に有用なα-シアノエーテルを経由する二環構築型収束的合成法(α-シアノエーテル法)を開発し,イェッソトキシン(YTX)のA-J環部の合成に成功している。FGHIJ環部の合成において,還元的エーテル化反応によるH環部の構築は重要なステップである。10mgスケールのヒドロキシケトンを用いた場合は問題なく反応が進行し,目的物を得る事ができた。しかし,100mgスケールの基質を用いた場合には収率が激減し,副生成物を与えた。用いるルイス酸の種類や反応温度など種々条件を検討したが,収率は改善されなかった。スケールを上げて反応条件を再検討しなければならないため,多段階を経て合成した貴重なサンプルが失われてしまうことになる。そこで,マイクロフローリアクターを用いた還元的エーテル化を検討した。その結果,用いる基質の量に依存せず反応は円滑に進行し,良好な収率で目的物を与えた。この方法は,天然物の全合成など多段階反応を経て得られるサンプルに適用する場合に非常に効果的である。すなわち,一旦小スケールで反応条件を最適化すれば,同条件でグラム単位でのスケールアップが容易に行える。
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