2010 Fiscal Year Annual Research Report
集積化チップを用いた有機光反応の革新的手法の開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106532
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
垣内 喜代三 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (60152592)
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Keywords | マイクロリアクター / 有機光反応 / 偏光分析センサ / リアルタイム計測 / 不斉[2+2]光付加環反応 / ジアステレオ選択性 / エナンチオ選択性 / フロー光反応 |
Research Abstract |
有機光反応に適した集積化マイクロフローセンサチップを設計・構築し、その特長を活かした光反応の革新的手法の開拓を目的に、今年度は、まず、すでに見出している高ジアステレオ選択的[2+2]光付加環化反応の不斉発現のメカニズムを明らかにするとともに、エナンチオ選択的[2+2]光反応も含めて他の新しい不斉有機光反応の創出をはかった。さらに光反応用マイクロリアクターを用いて、メントール補助基を有するシクロヘキセノンとオレフィンとのジアステレオ選択的[2+2]光反応を行い、反応効率だけでなく選択性も、通常の反応管を用いた光反応に比較して、向上することを見出した。マイクロチューブを光源に巻きつけたフローシステムでは、エチレンと基質とのプラグフローよるジアステレオ選択的[2+2]光反応を行い、反応時間が極めて短縮されることを明らかにした。このフロー系でのジアステレオ選択的[2+2]光反応で得られる光学活性生成物の旋光度をリアルタイムで測定するために、高精度で偏光分析が可能なオンチップCMOSイメージセンサを設計・試作した。さらにフロー系での測定可能なシステムを構築した。予備実験として、濃度の異なる光学活性化合物(スクロースやメントール)の光学純度を変えた溶液をフローさせて旋光度のリアルタイム計測を行った結果、濃度の違いに応じて旋光度が直線的に変化し、一定の光学純度では、旋光度も一定値を示すことを明らかにした。
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