2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルケンの集積型官能基化法
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106535
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
友岡 克彦 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (70207629)
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Keywords | 有機化学 / フロー・マイクロ合成 / オゾン / アルケン / 有機ケイ素化合物 |
Research Abstract |
・付加型オゾン酸化におけるアルケニルシランの構造必要要件の精査と適用範囲の拡大:従来型の「末端にケイ素置換基を有するアルケニルシラン」と同様に,ケイ素置換基のジェミナル位にアルキル基を有する「内部型アルケニルシラン」とオゾンとの反応も付加型オゾン酸化生成物を高収率で与えることを見出した.さらに,これにより得られるα-シリルペルオキシケトンの各種変換反応を検討し,アシロインや1,2-ジケトンなどを効率的に合成することに成功した.また,これらの検討過程において,α-シリルペルオキシケトンの収率がアルケニルシランの立体化学によって著しく異なることを見出した.これは付加型オゾン酸化反応の反応機構解明に関して重要な知見である. ・フロー系付加型オゾン酸化反応の開発:付加型オゾン酸化反応の効率向上と他の反応との集積化を目的として,反応をフロー系で行うことを検討した.その結果,単純なフロー系で反応実施が可能であることが明らかになった.これに基づき,次年度以降では反応の高次集積化を検討する計画である. ・付加型オゾン酸化反応の反応機構解明:付加型オゾン酸化反応の反応機構の詳細はこれまで未解明であった。これに対して本研究では,理論化学計算によって,「オゾンとアルケニルシランの[3+2]付加環化反応」が進行した後に「シリル基がオゾニド酸素に転位する」という機構が最も妥当であることを明らかにした.また,反応中間体,遷移状態の詳細な構造を求めることに成功した.
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