2010 Fiscal Year Annual Research Report
X線CTを利用した断層掘削コアの数値モデル化と流体流動解析
Publicly Offered Research
Project Area | New perspective of great subduction-zone earthquakes from the super deep drilling |
Project/Area Number |
22107502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 則昭 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (60466539)
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Keywords | X線CT / 断層 / 掘削コア / 数値モデル / 流体流動 |
Research Abstract |
近年の断層掘削により、断層帯が複雑な構造を持ち、浸透率も時空間的に大きく変化することが明らかになりつつあるようであるが、断層帯の水理特性の原位置測定の標準的な手法はいまだ確立されておらず、従来の孔井を利用した測定手法のみでは比較的長い区間の平均的な浸透率しか得られない。そこで本研究では、X線CT測定を利用することで、原位置コアサンプルの浸透率や空隙率を測定でき、さらにフラクチャーネットワークにおける複雑な流体流動も簡便に解析できる数値モデル解析手法を新たに考案した。本年度はまず、人工単一フラクチャーもしくは天然複数フラクチャーを有する花闇岩サンプルを対象に、大気圧下での医療用X線CT測定を利用したフラクチャー開口幅の精密測定に基づくサンプルの数値モデル化および流体流動解析を実施した。その結果、数値モデルは空隙率の実測値を再現できること、流体流動解析も浸透率の実測値を再現でき、さらに三次元的に発達する複雑な流路を明瞭に可視化できることを示すことができた。そこで次に、原位置コアを対象とした場合を想定し、市販のコアホルダ(圧力容器)を使用した封圧下のX線CT測定を実施し、人工もしくは天然の単一フラクチャーを有する花崗岩サンプルの数値モデル化と流体流動解析を試みた。その結果、市販のコアホルダではノイズが大きく中間値フィルタによるノイズ低減処理が必要であったが、流動実験により示唆されていた人工フラクチャーと天然フラクチャーの流体流動特性の違いを明確にできた。これにより、原位置コアサンプルそのものの水理特性評価が必要であり、このためには実験的よりも本研究の数値解析の方が有効であることを明確にした。来年度は新たに考案した炭素繊維充填PEEK製コアホルダを使用して原位置コアサンプルを対象に研究を進める。
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Research Products
(4 results)