2011 Fiscal Year Annual Research Report
コア・陸上・実験の統合による地震時の水-岩石反応の解明
Publicly Offered Research
Project Area | New perspective of great subduction-zone earthquakes from the super deep drilling |
Project/Area Number |
22107505
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 飛鳥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任研究員 (30570634)
|
Keywords | 沈み込み帯 / 地震発生帯 / 付加体 / IODP / NanTroSEIZE / 四万十帯 / 微量元素組成 |
Research Abstract |
平成24年度は以下の研究を行った。 1.南海トラフ分岐断層浅部から得られたのコア試料のXRFコアロガーを用いた主要・微量元素組成分析結果の解析から、すべり面において選択的にスメクタイトのイライト化反応が起こっていることを示し、分岐断層における地震時のすべりが浅部まで到達した可能性を指摘した論文をGeology誌に発表した。これは2011年東北地方太平洋沖地震で見られたような浅部に達する巨大すべりが南海トラフでも起こっていたことを示す成果である。 2.沈み込み初期物質が地震時の水-岩石反応に果たす影響を評価するため、南海トラフ海溝外側で得られた遠洋性堆積物・玄武岩コア試料の薄片作成を行い、微細スケールの続成・変質・変形組織に関する解析を行った。 3.四万十帯延岡衝上断層・槇峰層、美濃帯犬山地域の岩石試料採取を行うとともに、沈み込み帯の流体組成の解析のため、中部地方の深部起源非火山性流体のサンプリングを行った。 4.上記2.で得られたコア試料、3.で採取した陸上の断層岩・鉱物脈・流体試料の化学分析を行った。断層岩は主要・微量元素組成をXRFおよびICP-MSで測定し、Li,Sr同位体組成についてはMC-ICP-MSおよびTIMSを用いた。鉱物脈中の流体包有物、および流体試料・実験生成試料にういては、主成分元素組成はICP-AESで、微量元素組成・同位体組成についてはMC-ICP-MSおよびTIMSで測定を行った。 5.2010年5月/日本地球惑星連合大会、9月/IODP NanTroSEIZE Stage2ポストクルーズ会議、12月/アメリカ地球物理学連合秋季大会、3月/新学術領域国際研究集会およびアメリカ地質学会ペンローズ会議において、到達状況を報告した。また、上記4に関する研究成果についてGeochemistry,Geophysics,Geosystems誌に論文を投稿した。
|