2010 Fiscal Year Annual Research Report
熊野沖陸側斜面における海底斜面崩壊プロセスの解明
Publicly Offered Research
Project Area | New perspective of great subduction-zone earthquakes from the super deep drilling |
Project/Area Number |
22107506
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
金松 敏也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 技術研究副主幹 (90344283)
|
Keywords | 海底地すべり / 年代 / 南海トラフ |
Research Abstract |
熊野沖陸側斜面における海底斜面崩壊を考察するため,その分布を知る事を目指している.降下テフラの基準面は地域的な時間同時面を設定するには非常に有効であり,表層堆積物を使って表層崩壊の分布を知ることができる.三瓶山を起源とする三瓶浮布テフラ(2.1万年)がこの海域では特徴的に認められる事が分かり,また陸側斜面最上部のテラスでは火山灰から20万年近い地層の欠損があることが分かったので,International Field Conference and Worksに参加し,熊野沖陸側斜面に分布するテフラについて報告した. 海底斜面崩壊プロセスの解明のため,熊野沖陸側斜面において水深2690mの馬蹄形地形が発達する海域で無人探査船「かいこう7000II」を用いて調査をおこなった.3潜航計画されていたが荒天のため1潜航の調査しか実施できなかった.斜面崩壊の産状を詳しく知るために,目視観測をおこない,表層堆積物試料の採取・海底下の音響データを取得した.調査の結果,馬蹄形地すべり痕側方滑落崖は10-20m程度の比高があり,その高さ分の堆積層が崩壊していることが分かったが,崖は泥に覆われており,表層崩壊は最近起った物ではなさそうである.海底崖頂部の堆積層の深度5cm以下の剪断強度は,地すべり痕内部の堆積層に比べると著しく高く,崩壊とともに表層堆積物が削剥された事が伺え,剪断強度が変化する直上の地層の年代が地すべりの起った年代である可能性が高い.
|