2010 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性高分子半導体の超分子プログラミングによるナノ構造の制御と太陽電池への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108506
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
舟橋 正浩 香川大学, 工学部, 教授 (90262287)
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Keywords | 液晶性半導体 / オリゴシロキサン / ペリレンテトラカルボン酸ジイミド / 電子輸送 / n-型半導体 / 有機薄膜太陽電池 / スピンコート法 / Time-of-Flight |
Research Abstract |
p-型液晶性ポリシロキサンに添加するn-型液晶性半導体の合成・物性評価を検討した。p-型半導体である液晶性ポリシロキサンの主鎖に親和性の高い部位として、オリゴシロキサン鎖を選び、半導体として機能するπ電子共役系に、複数のオリゴシロキサン鎖を導入した液晶材料の合成を検討した。n-型半導体であるペリレンテトラカルボン酸ジイミドに二本のオリゴシロキサン側鎖を導入した化合物1と4本導入した化合物2を合成した。化合物1は徐冷すると結晶化するが、急冷すると、室温付近で高次の液晶相を示した。化合物2は、室温でカラムナー相を示した。これらの液晶材料はシクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、THFなどの有機溶媒に対して良好な溶解性を示し、スピンコートによる薄膜作製が可能であった。スピンコートによって作製した薄膜は、いずれの化合物を用いた場合も、液晶性の薄膜であり、数十μmに及ぶ大きなドメインが形成された。また、化合物2について、Time-of-Flight法によって液晶相での電子移動度を測定したところ、室温で、10^<-3>cm^2/Vsを超える値を示した。この液晶材料は、溶液中での還元電位は、0.86 vs Ag^+/Agであり、十分な電子受容性を示すことから、n-型の液晶性半導体として機能するものと考えられ、p-型液晶性半導体と混合することにより、光電荷移動が起こり、光起電力を示すことが期待できる。また、従来検討されてきたペリレンテトラカルボン酸誘導体の有機溶媒に対する溶解性は低く、溶液プロセスによる製膜は困難であるのに対し、本研究により得られたオリゴシロキサン鎖を有するペリレンテトラカルボン酸ジイミドは溶液プロセスによる薄膜作製が容易である。
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