2011 Fiscal Year Annual Research Report
核酸塩基の自己組織化に基づく配位プログラムを活用した高次配列制御
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108516
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60281119)
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Keywords | 核酸塩基 / 発光性錯体 / π共役系分子 / 自己組織化 / 空間制御 |
Research Abstract |
本研究では、高次構造および不斉会合特性を有する生体分子を土台分子として着目し、自己組織化に基づく配位プログラムにより発光特性や触媒能を有する機能性金属錯体の緻密配列制御を行い、機能性超構造分子システムを創製することを目的とする。本年度は、グアニン部位を有する発光性金錯体の設計合成と空間制御に基づく発光機能制御について検討を行った。 核酸塩基としてグアノシン誘導体、発光性金属錯体としてイソニトリル金(I)およびジフェニルピリジン金(III)錯体に着目した。8-(4-エチニルフェニル)グアノシン誘導体(G)と金(1)塩との反応後、フェニルイソシアニドを導入することによりグアノシン部位を有する金(1)錯体GAu(I)を合成した。同様にジフェニルピリジン金(III)錯体と8-(4-エチルフェニル)グアノシン誘導体との反応によりグアノシン部位を有する金(III)錯体GAu(III)を合成した。金(1)錯体GAu(I)の機能組織化について温度可変NMRにより検討を行ったところ、G-quartetの形成が示唆された。一方、0.125当量のKPF_6存在下ではG-octamerが形成されることが明らかとなった。発光挙動について検討を行ったところ、KPF_6が存在しない場合には460nm付近に発光が観測されたが、KPF6存在下ではAu(I)-Au(I)相互作用に基づく発光が510nm付近に観測された。グアニン部位の自己組織化特性に基づくG-octamer形成によりAu(I)活性中心の配列制御が可能になった。金(III)錯体GAu(III)においても、KPF_6が存在しない場合にはG-quartetが形成されることが明らかになった。また、KPF_6の添加量によりG-octamerあるいはカラム状組織体を形成することが温度可変NMRより明らかとなった。
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