2011 Fiscal Year Annual Research Report
モリブドプテリン形成空間の分子認識能に基づく高次酸化還元触媒化プログラミング
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108520
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 秀樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00315970)
|
Keywords | モリブデン錯体 / 酵素モデル / 錯体化学 |
Research Abstract |
カルボン酸メチルエステルを置換基に持つジチオレンを含むbis(dithiolene)Mo^<IV>O錯体およびbis(dithiolene)Mo^<VI>O_2錯体を合成・単離し、モリブデン中心とジチオレン間のπ共役性を結晶構造解析や各種スペクトルなどから考察した。 Mo^<IV>O錯体とMe_3NOとの反応により、Mo^<VI>O_2錯体を得た。このMo^<VI>O_2錯体は、v(Mo=O)_<symm>を870cm^<-1>に示した。アセトニトリル中におけるラマンスペクトル測定の結果、モノオキソ錯体はカルボン酸メチルエステル基のジチオレンのC=C伸縮を1537cm^<-1>程度に示すのに対し、ジオキソ錯体はそのC=C伸縮を1520および1540cm^<-1>に示し、ジオキソ錯体では、C=C結合により単結合の寄与が含まれることが明らかとなった。結晶解析の結果からも、C=C結合距離はジオキソ錯体(1.367(12)A)の方がモノオキソ錯体(1.356(4)A)よりも長く、C-S結合距離については、ジオキソ錯体(1.733(10),1.711(8)A)は、モノオキソ錯体(1.774(3),1.753(3)A)より短くなっていることが示された。これらの結果から、ジオキソ錯体の方が、モリブデン中心とジチオレン部にπ共役が大きく広がっていることが示された。 さらに、ジオキソ錯体は、アセトンやアセトニトリル中で亜ヒ酸に酸素原子を移し、モノオキソ錯体に変化することが明らかとなった。また、この酸素添加反応について速度論的考察を加え、反応機構を推定した。
|
Research Products
(2 results)