2010 Fiscal Year Annual Research Report
PCD法による配位高分子への酸性基の導入と、新規プロトン伝導体の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108526
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 鉄兵 京都大学, 理学研究科, 助教 (10404071)
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Keywords | 配位高分子 / 保護-脱保護法 / プロトン伝導 / イオン伝導 |
Research Abstract |
PCD法という新しい配位高分子の合成法を開拓し、それによりスルホン酸基やホスホン酸基といった強酸性残基を導入することを目指した。PCD法においては、官能基を一度保護(Protect)し、錯形成(Complexate)した後、脱保護(Deprotect)するという、一連の手順を用いて、配位高分子内部に望みの官能基を導入する手法である。 本年はこの手法により、ホスホン酸基の導入を目指した。保護されたホスホン酸基を有する3,5-ジカルボキシホスホン酸ジアルキルを2ステップで合成し、得られた配位子と硝酸亜鉛6水和物とを種々の条件で反応させた。得られた配位高分子の構造はX線構造解析により決定し、目的とする保護されたホスホン酸基を有する配位高分子の構造を得た。さらに苛烈な条件で反応させることで、カルボン酸基を配位高分子の細孔内に配列させたものや、プロトンドナー性を有するジメチルアンモニウムをカウンターカチオンとして有するものが得られたことがわかった。 これら酸点を有する配位高分子のプロトン伝導度を測定したところ、それぞれ室温で5.8×10^<-6>および1.1×10^<-6>Scm^<-1>程度の伝導性を示すことがわかった。 さらに、MIL-53型の配位高分子の合成を検討した。ホスホン酸基を脱保護した2,5-ジカルボキシホスホン酸と硝酸アルミニウム9水和物とを反応させ、MIL-53型配位高分子を得た。 この配位高分子はホスホン酸という強酸を細孔内に有しており、高いプロトン伝導性が期待できる。特に、配位高分子の細孔にホスホン酸基を導入した例はこれまでになく、均一なナノ細孔を有する固体酸材料が、世界ではじめて得られたと考えている。
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[Journal Article] A Metal-Organic Framework as An Electrocatalyst for Ethanol Oxidation2010
Author(s)
L.Yang, S.Kinoshita, T.Yamada, S.Kanda, H.Kitagawa, M.Tokunaga, T.Ishimoto, T.Ogura, R.Nagumo, A.Miyamoto, M.Koyama
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Journal Title
Angewandte Chemie, Intenational Edition
Volume: Vol.49
Pages: 5348-5351
Peer Reviewed
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