2010 Fiscal Year Annual Research Report
核酸構造上にプログラムされた特異的化学反応
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108529
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井原 敏博 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40253489)
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Keywords | オリゴヌクレオチド / DNAコンジュゲート / 化学ライゲーション / 電気化学 / 発光 / ハイブリダイゼーション / 協同性 / 機能性核酸 |
Research Abstract |
5-アミノレブリン酸(5-ALA)のアミノ基を光活性の保護基(NVO)で保護し、その後、ヒドロキシスクシンイミドとの反応により、カルボキシル基を活性エステルとした。これを末端にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチドとカップリングさせることでアミノアセチル基(AAc)を末端にもつDNA(AAc-ODN)を化学合成した。 はじめに、AAc-ODNのハイブリダイゼーション能をUV融解実験より確認した。その結果、AAc-ODNは未修飾の同塩基配列のオリゴヌクレオチド同様の熱安定性を示すことがわかった。次に、NVO保護基の光による脱保護の検討を行った。LEDを用いて366nmの光を照射すると、30秒程度でほぼ定量的に保護基が外れることを確認した。そこで、互いに逆末端にAAcを有する2種のAAc-ODNが、テンプレートに対してタンデムにハイブリダイズした二本鎖複合体状でのライゲーション実験を行った。すなわち、このタンデム二本鎖にLEDで光照射を行った後に低温で(二本鎖を保証できる温度で)インキュベートし、ライゲーション反応の進行をHPLC、および質量分析装置(MALDI-TOF MS)を用いてモニターした。その結果、3日後のサンプルから採取された成分の一つが2つのAAc-ODNが連結したライゲーション産物であることを確認することができた。反応のpH依存性を検討した結果、実験を行ったうち最も高いpH 9で反応が最も早く進行することがわかった。AAc-ODN末端のアミノ基の求核性が反応速度を決定づけていることが示唆された。反応を加速させるために、温度、および脱酸素条件下での検討を行う必要がある。
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