2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子貯蔵型階層構造の構築と整流性素子への展開
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108530
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 崇史 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (40532908)
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Keywords | プルシアンブルー / 電気伝導度 / 無機ナノシート / ウェットプロセス / 積層構造体 |
Research Abstract |
1.プルシアンブルーの電気伝導性の評価 プルシアンブルー(PB),ベルリングリーン(BG,酸化体)の電気伝導性の評価を行った。溶液中で合成したPB,BGの水懸濁液をAuギャップ電極にキャストしてセルを作製し、ポテンシオスタットを用いた3端子法によって電気伝導度の測定を行った。PBは絶縁体であったが、BGにおいては種々の温度における1-V特性がオームの法則に従っており、温度に対する抵抗値の自然対数のプロットが局在電子の伝導に対するMottの式とよく一致した。また、拡張Huckel法による状態密度計算から、PBが酸化的にドープされたBGではフェルミ準位が低下するため、ホッピング伝導が生起するという、実験データを裏付ける結果が得られた。 2.無機ナノシート積層体の構築 磁性無機ナノシート(Co-NiLDH)とスメクトンナノシートをウェットプロセスによって積層化させ、磁気特性を閉じ込めたような構造体を構築した。積層体における保磁力は粉末の場合と比較して減少したこと、加えてそれぞれの構造を照らし合わせると、ウェットプロセスによって磁性無機ナノシートが異方的に集積されていることが示唆された。また、得られた積層体を焼結することによって、積層構造が保持されたまま、保磁力が大きく増大する結果が得られた。
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