2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子回転子の構築と回転の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
22108532
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大月 穣 日本大学, 理工学部, 教授 (80233188)
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Keywords | 分子回転子 / 単一分子発光 |
Research Abstract |
本研究は,まだ誰も成功していない,分子回転子の回転方向や回転速度の制御を実現することを目的とする.分子の回転を制御するには,1つの分子の向きを検出する手法を確立しておく必要がある.我々は,我々が合成した特別なダブルデッカー錯体によって,基板上でのダブルデッカー錯体分子の回転を走査トンネル顕微鏡で,世界で初めて「見る」ことに成功した(科研費基盤C).一方,この新学術領域研究の初年度では,分子が発する蛍光の偏光によって分子の配向を検出することをめざした.まず,トリエトキシシリル基をもつピロリジル置換ペリレンジカルボン酸イミドを合成した.この分子は蛍光性でガラス表面に結合するためのトリエトキシシリル基をもつ.この分子を非蛍光性のトリメトキシプロピルシランで希釈し,ガラス表面を化学修飾してサンプルを作成した.このサンプルを全反射蛍光顕微鏡で観察し,単一分子からの発光と思われる点滅する輝点を観察した.その結果,蛍光性分子:非蛍光性分子=1:10^7程度に薄めたものが,発光分子が数マイクロメートル離れて分布し.1つずつの発光分子を観察するのに適していそうなことがわかった.今後は,これらの単一分子からの蛍光の偏光を測定し,分子の配向を明らかにし,固体上に固定化された分子がどのように向きを変えるかを明らかにする。ここで用いている分子は大きな双極子モーメントをもっており,電場で方向が制御できると考えられる.配向検出と電場による制御を組み合わせて,分子を回転させてそれを検出し,最終目標である分子回転子の構築とその制御を実現する.
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Research Products
(11 results)