2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下における地球内部の流体の電気伝導度測定
Publicly Offered Research
Project Area | Geofluids: Nature and dynamics of fluids in subduction zones |
Project/Area Number |
22109503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三部 賢治 東京大学, 地震研究所, 助教 (10372426)
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Keywords | 高温高圧 / 電気伝導度 / マグマ / フルイド / マルチアンビル / ダイヤモンド / サーペンティン / マグネサイト |
Research Abstract |
本年度は,高温高圧セルの内部を工夫して流体(フルイド及びメルト)100%から成るサンプルを高温高圧状態のまま測定する新手法を開発した.高温高圧装置に組み込む測定セル部分は,1)流体との反応性が低いこと,2)流体を完全に封入して逃がさないこと,3)少なくとも2本の電気的に絶縁された測定電極が流体にセットされていること,の3点を満たす必要がある.このためには本研究では最終的に単結晶ダイヤモンドと貴金属カプセルを組み合わせた測定セルを用いる計画であるが,セルのデザインや各パーツのサイズに関して試行錯誤的にベストのものに近づけていくため,まず初めに単結晶サファイヤと貴金属カプセルを組み合わせたセルにより実験を開始している.さらにその前段階として,高温高圧下での測定値の参考値を知っておく目的として,脱イオン水をビーカーに入れて常温常圧下で電気伝導度を測定しておいた.次に,脱イオン水100%のものをサンプルとして高圧実験用測定セルに入れ,マルチアンビルで1~3GPa程度まで加圧し,常温下において実際に電気伝導度測定を行った.得られた値は前もって常温常圧下で測定したものに近い値が得られた. また,これと平行して,地球内部構造の理解に役立てる目的で,高温高圧下での揮発性成分を含む鉱物の電気伝導度の測定も行った.沈み込み帯付近の地下で代表的な含水鉱物であるサーペンティン,そして炭酸塩鉱物の代表としてマグネサイトの電気伝導度を測定した.得られた成果は専門誌に発表された.
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