2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマとプリオンやウイルスのナノ粒子・構造体相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
22110514
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
作道 章一 琉球大学, 医学部, 准教授 (10397672)
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Keywords | プラズマ・核融合 / ウイルス / 感染症 / 衛生 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
医療器具を介した感染が院内感染の主要部分を占めるなか、高圧蒸気滅菌などの既存の滅菌方法では、医療器具や機器は処理に耐えられないことが問題とされている。近年これらの機材に対応可能な過酸化水素ガスプラズマ滅菌方法が提案されているが、毒性残留物(過酸化水素)の危険性などが指摘され始めている。さらに細菌由来のエンドトキシンの残留は、発熱などの症状を引き起こすが、過酸化水素ガスプラズマ滅菌ではエンドトキシンには効果がないと報告されている。そのような中、本研究は、N_2ガスプラズマをナノ粒子であるウイルスやプリオンと反応させることで、これまでに研究されてこなかったウイルス学分野にナノ界面プラズマの研究展開をはかることを目的とした。 平成22年度の解析の結果、N_2ガスプラズマの発生時には、温度上昇、紫外線発生、酸化ストレス源発生が起きていることが確認された。インフルエンザウイルスを用いた解析では、N_2ガスプラズマ処理により、ヌクレオプロテインの分解やエンベロープ膜の修飾が観察され、BSAを用いた解析では処理によりαヘリックス構造が増加し、βターン構造が減少していた。一方で、BSAの温度処理の場合は、βシートが増加し、αヘリックスが減少していた。したがって、N_2ガスプラズマ処理による蛋白質の構造変化や分解は温度上昇によるものでなく、紫外線も蛋白質の構造変化や分解を起こさないため、プラズマ処理により発生した酸化ストレス源が蛋白質の構造変化や分解および脂質の修飾を引き起こしたのではないかと考えられた。また、プラズマ処理後のインフルエンザウイルスは構成蛋白質であるヌクレオプロテインが減少していることから、処理により有効に不活化されていることが示唆された。これらのことから、N_2ガスプラズマ処理は、インフルエンザウイルスの殺菌消毒法として有用であると考えられた。
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[Journal Article] Enhanced enteric invasion of scrapie agents into the villous columnar epithelium via maternal immunoglobulin2010
Author(s)
Ano Y, Sakudo A, Uraki R, Sato Y, Kono J, Sugiura K, Yokoyama T, Itohara S, Nakayama H, Yukawa M, Onodera T.
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Journal Title
Int J Mol Med
Volume: 26
Pages: 845-851
Peer Reviewed
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