2010 Fiscal Year Annual Research Report
表面波共鳴点断熱拡散法による負イオンプラズマ生成とナノファブリケーションへの応用
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
22110517
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
進藤 春雄 東海大学, 情報理工学部, 教授 (20034407)
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Keywords | 負イオンプラズマ / 表面波プラズマ / 負イオンプラズマプロセス / マイクロ波酸素プラズマ / ナノサイズシリコントレンチ酸化 / ナノサイズシリコントレンチエッチング / 低温低損傷プロセス / ナノ界面プロセス |
Research Abstract |
大規模半導体集積回路(ULSI)プロセスを中心とするデバイスプロセスや新機能物質創製においてプラズマプロセスは重要な技術である。本研究はこれらの材料プロセスにおいて次世代ナノサイズデバイスファブリケーション技術の確立を目的とし、高密度負イオンプラズマの生成法とその応用プロセスについて検討を行ったものである。平成22年度は主として次の2課題について研究を行った:(1)VHF表面波プラズマの周波数変調(パワー変調)による負イオンプラズマの生成とナノサイズシリコントレンエッチングへの応用、(2)マイクロ波表面波プラズマにおける空間アフターグローの生成とナノサイズシリコントレンチ酸化への応用。(1)の課題では、変調周波数である40MHzと60MHzにおけるプラズマ分布とシリコンエッチング速度の軸方向分布を調べた結果、表面波の分散特性と合致していること確認し、周波数変調による負イオンプラズマ生成が可能であることを示した。(2)の課題では、マイクロ波酸素プラズマ中において酸素負イオンの空間分布を測定するとともに、幅60-200ナノメートル、アスペクト比1-6のシリコントレンチの酸化特性を詳細に調べた。それらの結果、酸素負イオンの空間分布はマイクロ波上流部ではその密度は低く、下流域に行くにしたがって増加し、マイクロ波導入窓から18-20cmの位置において最大となることを明らかにした。一方、シリコントレンチの酸化特性では、酸化膜厚は下流域において増加を示し、前記負イオン密度の最大となる同様の位置で最大となることから、酸素負イオンがシリコン酸化に大きな役割を果たしていることが判明した。このことは、シリコントレンチ酸化膜厚の基板バイアス依存性からも分かり、基板バイアスがプラズマ電位の+20Vの条件で最大膜厚となることが分かった。このことは前述した負イオンによる酸化をさらに裏付ける結果であり、負イオンの空間分布に関する結果と合わせて、酸素表面波プラズマ下流域における負イオンプラズマのナノファブリケーションへの応用として新しい技術分野の開拓の可能性を示唆するものである。これらの研究結果を英文論文誌に公表するとともに技術特許に申請したことを報告するものである。
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