2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ-ナノ粒子-基板相互界面反応場の局所診断
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of Science of Plasma Nano-Interface Interactions |
Project/Area Number |
22110520
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
北嶋 武 防衛大学校, 電気情報学群, 准教授 (50424198)
|
Keywords | ナノ材料 / プラズマ加工 / 表面・界面物性 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
本研究は、プラズマとナノ物質界面の相互作用を扱う新学術領域の一分野として、従来にない気相-ナノ粒子-基板間でのプラズマによる非熱平衡な化学反応過程を用いた半導体ナノ構造の形成制御を目的としている。 初年度として、LSI用高誘電率ゲート絶縁膜のHfSiONの形成をターゲットに、シリコン半導体基板上に自己組織化現象によりハフニウムのナノ粒子を形成し、窒素プラズマによりHf,Si,O,Nの界面反応が誘起される過程を分析した。超高真空プローブ顕微鏡により、SiO_2上の自己組織化Hfナノ粒子が安定した固相の物理特性を持たず、常温近くにおいて表面-界面拡散可能な状態にあることを初めて発見した。プラズマ診断から導出される照射N原子量とXPSから得たHfSiON膜中のN原子量には定量的に1:1の関係が確認され、Hfナノ粒子の高い反応性を示唆した。また、Hf蒸着量と下地SiO_2層の厚みを変化させることで、プラズマ照射の作用を変え、膜中のSi,N比率が制御可能であることを見出した。 さらに、ゲート絶縁膜として必要な原子レベルでの平坦性は、膜と下地Si層の歪エネルギーをTiの含有により制御することで実現可能であることを明らかにした。Ti比率0-10%の範囲でホール深さは0.8nmから0.2nmへ減少し、平坦性の改善が得られた。 これらの発見から、1-自己組織化表面ナノ粒子がプラズマ供給粒子と高い反応性を持つこと、2-プラズマ照射により表面ナノ粒子と下地層との界面反応を効果的に薄膜形成に活用できること、3-照射イオンエネルギーの低減により膜の原子レベルでの平坦化と歪制御技術の活用が可能であること、などが解明された。 ここで得られた知見を基に、今後の研究ではプラズマ照射により積層膜間の歪エネルギーを活性化する手法を開発し、表面ナノ粒子の組成/粒径制御の可能性を探索し、これによる半導体ナノ粒子創製技術の開発を進める計画である。
|