2010 Fiscal Year Annual Research Report
光のレイシューティングシミュレーションを用いた重力レンズ起源の偏光ゆらぎの見積り
Publicly Offered Research
Project Area | The Physical Origin of the Universe viewed through the Cosmic Background Radiation - from Cosmological Inflation to Dark Ages - |
Project/Area Number |
22111501
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 龍一 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60413960)
|
Keywords | 数値シミュレーション / 重力レンズ / 宇宙背景輻射 / 宇宙の大規模構造 |
Research Abstract |
研究を始めるに当たり、本研究分野(宇宙背景輻射と重力レンズ)の専門家である高田昌広准教授(東大IPMU)と井上開輝准教授(近畿大)に弘前大に来て頂き、セミナーをして頂いた。その際、両名には数日滞在してもらい、有益な議論も行った。最先端の研究テーマや研究の現状を知ることが出来た。 2010年11月につくば市の高エネルギー加速器機構で開かれた国際会議ExDiP2010に参加し、「Estimating B-mode polarization of CMB induced by gravitational lensing of intervening matter using ray-tracing simulation」というタイトルで口頭発表を行った。研究の進捗状況と今後の計画について発表し、参加者とも有益な議論を行った。 宇宙の大規模構造をN体数値シミュレーションを用いて用意した。計算コードはGadget2(Springel 2005)を用い、計算機は国立天文台天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)の並列計算機(Cray XT4)を用いた。ボックス長は100Mpc/h、粒子数は512^3とした。平均粒子間隔は0.2Mpc/hとなり、これは角度分解能にすると約20秒角(赤方偏移z=1)となり、将来の偏光観測には十分な分解能がある。シミュレーションで用意した粒子データは科研費で購入したハードディスクに保存してある。宇宙の非一様密度分布を伝播する際の、レイトレーシングシミュレーションを現在行なっている。テスト計算は昨年秋に終わったので、現在本格的な計算を進めている。
|
Research Products
(2 results)