2011 Fiscal Year Annual Research Report
精子細胞膜ドメインに起こる配偶子認識と融合に関する超微形態・分子レベルの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
22112504
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
年森 清隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20094097)
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Keywords | 精子 / 先体 / 精子形成 / 受精 / 胚発生 / 糖鎖 / 遺伝子改変マウス / エクアトリン |
Research Abstract |
【1】Wildマウスを用いた精子形成過程や体内体外受精中の先体反応前後から囲卵腔に移動し膜融合する過程において、Equatorinとその周囲の先体基質分子や核周囲物質との関係に関する基礎データを得て一部を公表した(JEM,2011)。解析はMN9免疫電顕、Freeze fracture法、特異蛍光抗体法、EQT-GFP-TGマウスを用いた高解像蛍光顕微鏡や超顕微鏡STED-CW/共焦点走査型顕微鏡で行った。同時にMN9抗体、SAMP32抗体、IZUMO抗体を用いたflow cytometryにより分取した試料との比較解析を行った。重要な点は、Equatorinと先体基質分子およびEquatorinと核周囲物質との関係に異なる様式があることが推測される点である。実際、超微細構造上に違いが見られた。今後のMS解析結果が期待される。EQT-KOマウス精子のphenotypeは現在解析中であるが、現段階では先体形成過程においてwildとの違いを得ている。受精実験過程での違いは現在解析中である。【2】EQT-GFP-TG精子を用いて、先体反応から膜融合に伴って変化する裏打ちタンパク質MN13とPLCzの関係を比較解析した結果、EQTはMN13やPLCzよりも安定して残ること、先体反応後は内先体膜に残り、卵子に取り込まれた後は先体周囲から次第に離れ、雌雄前核が形成される頃に次第に分解されていくことが判明した。これは基礎データとなる。【3】EQT-affinity共沈法/LC-MS/MS解析法を用いて、Equatorin結合タンパク質を解析したところ、細胞骨格タンパク質を含めて多数の候補があったため、可溶化法を改良してさらに絞り込む確認作業を行っている。当該年度の研究中に、138Thr上にあるMN9epitope第1糖鎖にGalnt3が関係することが判明した(論文投稿中)。
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