2010 Fiscal Year Annual Research Report
比較ゲノム的アプローチによる配偶子認識因子の探索
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
22112514
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大和 勝幸 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (50293915)
|
Keywords | コケ植物 / 性染色体 / 半数体 / 雌雄異株 / 基部陸上植物 |
Research Abstract |
本研究では、雌雄異株植物であるゼニゴケを用いて、(1)精子および卵特異的に発現する膜タンパク質の候補遺伝子の探索、(2)他生物種でも保存されている遺伝子の絞り込み、(3)形質転換系を用いた候補タンパク質の細胞内局在の評価、を実施する。 本年度は、ゼニゴケ精子に由来するESTの作成を試みた。ゼニゴケ精子を採取し、異なる方法でRNAの抽出を行ったが、いずれの方法でも他の組織由来のRNAに比べて分解が進んでいた。そこで、様々な生育段階にある造精器を含む雄生殖器よりRNAを抽出し、次世代シーケンサによる塩基配列解析を実施した。約50万リードが得られ、その平均長は約390bpであった。これまでの研究で獲得していた完全長cDNAライブラリ由来の配列と比較したところ、5'末端領域への到達度はやや低かった。しかし、M666C5.1といった雄生殖器特異的に発現しているY染色体遺伝子の転写産物が含まれており、本研究の目的には十分であると判断した。また、シロイヌナズナなどで受精に重要な役割を果たすことが示されているGCS1遺伝子のホモログも見いだされ、MpGCS1と名付けた。全長は明らかになっていないが、MpGCS1はY染色体のContig-Aの末端領域に位置していた。予定では卵あるいは造卵器のESTも作成することになっていたが、研究代表者の異動に伴う移転作業により材料の確保が遅れたため、試料調製およびデータ取得は次年度になる。
|