2011 Fiscal Year Annual Research Report
両生類の受精における配偶子認識と卵付活の分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
22112518
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩尾 康宏 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10144916)
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Keywords | 卵付活 / Ca / 精子 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
(1)卵・精子細胞膜の融合に必要な新規分子の同定 両生類卵は大型で不透明なため蛍光顕微鏡での観察が困難であるが、我々が開発した透明化細胞作成技術により、透明化した卵母細胞にDNA結合蛍光色素を注入し、融合した精子核DNAに蛍光色素が移行することを蛍光実体顕微鏡で観察することで細胞融合を検出することを試みた。また、精子膜上分子に対する単クローン抗体ライブラリー(作成済)を用いて、精子の膜接着は阻害しないが、融合を阻害する分子を検索した。 (2)精子ファクター型卵付活における卵付活分子の解明 有尾両生類(イモリ)では精子細胞質中のクエン酸合成酵素が卵細胞質中に導入され、卵内Ca上昇を引き起こす。この新規精子ファクターよる卵付活のしくみを透明化卵を用いて、酵素反応生成物の作用解析、酵素と相互作用している卵細胞質中の分子を免疫沈降法およびSPR法による分子間相互作用の解析などで明らかにした。さらに、精子ファクター型の卵付活をおこなう哺乳類の精子にも、クエン酸合成酵素がミトコンドリア外の細胞質に存在し、イモリ卵を付活できることがわかった。そこで、魚類、鳥類、哺乳類などの精子にクエン酸合成酵素がミトコンドリア外の細胞質に存在するかを抗体によって検討し、未受精卵への注入により卵付活が起きるかを調べることにより、脊椎動物の精子ファクター型の卵付活のCaシグナル伝達において、クエン酸合成酵素が共通して働いているかを明らかにした。 (3)卵リセプター型卵付活における精子シグナル分子の解明 ツメガエルの受精では、精子が卵細胞膜に接着した時に付活のシグナルを卵内へ伝える。精子細胞膜上のマトリクスメタロプロテアーゼ-2(MMP-2)が精子の膜接着・融合に必要であり、卵付活でも機能している。MMP-2はヘモペキシンドメイン(HPX)にディスインテグリン配列をもち、それを含むHPXペプチドは卵内Caイオン濃度上昇を引き起こし、卵を付活する。脊椎動物の受精過程における膜接着・融合時および融合後のCaシグナル伝達で共通して働いている機能分子、とくに電位依存性分子を電気生理学的手法を用いて明らかにした。
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Research Products
(7 results)