2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾ネットワークの構造的基盤としての不規則領域の生理的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
22113502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70242089)
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Keywords | 化学修飾 / ヒストンテイル / ネットワーク / 不規則領域 / 天然変性蛋白質 |
Research Abstract |
天然変性領域の示すヒストン化学修飾部位に関する世界に先駆けての知見: 1.Hi-MOST model天然変性領域の化学修飾からヌクレオソーム構造変換機構 ヒストンの化学修飾認識因子のブロモドメインとヒストンシャペロンCIAの複合体結晶構造の解析により、天然変性領域であるヒストンテイル領域の化学修飾とヒストンコア領域の構造変換を初めて結びつけたhi-MOST(histone modification to nucleosome structural change)モデルを提唱した。 2.ESS strategy:頑強性を示すピストン化学修飾残基の同定 天然変性領域であるヒストンテイル領域の化学修飾は、化学修飾間の機能的補填関係により機能解析が困難であったが、"DESS strategy"を新たに開発し、頑強性を示す機能的に重要な残基を特定した。 3.Htz1点変異体ライブラリーの構築 ヒストンバリアントHtz1点変異体ライブラリーを作製し、天然変性領域であるテイル領域における化学修飾残基の点変異体が様々なDNA介在反応阻害剤に対して表現型を示さないことを見い出し、ヒストンと同様にHtz1のテイル領域の化学修飾が変異に対する頑強性を持つことが明らかとなった。 4.染色体分配を司るヒストン領域の同定 染色体分配におけるヒストンの役割を解明するため、ヒストン点変異体ライブラリーを用いた微小管脱重合阻害剤TBZ/benomyl感受性試験を行ったが、天然変性領域であるテイル領域の化学修飾残基の点変異体は表現型を示さず、染色体分配においてもテイル領域は頑強性を持つことが明らかとなった。 5.H3K36me3を制御するピストン領域の同定 ヒストン点変異体ライブラリーを用いた解析により、天然変性領域であるヒストンH3K36のメチル化に必要な残基がヌクレオソーム分子表面上でクラスターを形成し、ヒストンH3K36メチル化酵素Set2のクロマチン結合にも必要であることを示し、天然変性領域の化学修飾と構造コア領域の関係を明らかにした。
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