2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン構造をもたない天然変性タンパク質群における構造機能相関解析
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
22113505
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相澤 康則 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 講師 (90418674)
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Keywords | タンパク質 / ゲノム / 構造機能相関 / ドメイン / ノンコーディング |
Research Abstract |
本研究では、「ドメイン」の存在が明らかでない天然変性タンパク質における構造機能相関を理解するために、ランダムコイル状態にあるポリペプチドが、隣り合ったドメイン構造に依存せずに自律的に機能性構造単位を形成するために必要な要因を探究する。この要因を探究するためのモデルタンパク質として、全長に渡ってドメイン構造をもたない"完全"天然変性タンパク質(NEDタンパク質(Naturally and Entirely Denatured protein))が最適であると考え、本年度は以下の3つの研究項目を実施した: (1)7種類の新規NED候補タンパク質のクローニング、細胞内局在解析ならびに可溶化条件最適化。 (2)(1)で解析した7種類のタンパク質に結合するタンパク質群を同定するためのプロテオミクス実験 (3)(1)および(2)で解析したタンパク質とは別の、2種類のNEDタンパク質の細胞内機能の解明を目指した実験 22年度末時点で、(1)は完了し、(2)を開始している。現時点では、いずれのNED候補タンパク質の結合相手も未だ同定には至っていない。(3)においては、一方のタンパク質は主要な細胞内シグナル伝達を制御することが、もう一方のタンパク質は新規の細胞質内小胞輸送経路に関わっていることがそれぞれ明らかとなった。後者のタンパク質については、新規小胞輸送経路に関わるペプチドモチーフを同定することができた。これは、本プロジェクトにおいて、最初に同定された天然変性タンパク質由来の機能性ペプチドモチーフである。23年度は、これらの結果および知見を元に、天然変性タンパク質の構想機能相関の多様性を明確に提示するための分子生物学的データおよび熱力学的データの収集を行う予定である。
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Research Products
(4 results)