2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格関連遺伝子群転写調節因子MALがアクチン動態のセンサーとして機能する機構
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
22113510
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松浦 能行 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (10402413)
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Keywords | 天然変性蛋白質 / X線結晶解析 / アクチン動態 / 転写制御 |
Research Abstract |
Rho GTPaseは増殖因子など細胞外のリガンドからのシグナルによって活性化され、アクチン系細胞骨格の再編成をひきおこす。このとき、細胞質におけるアクチン動態の変化(アクチン重合の促進)の情報は核に伝えられ、細胞骨格関連遺伝子群(アクチンそのものを含む)や細胞接着関連遺伝子群の転写が調節され、必要な時に必要な量のタンパク質分子が合成されることで、細胞外からのシグナルに応答した細胞の形態変化や細胞の運動性・接着性の変化が効果的におこる。本研究では、このシグナル伝達系の鍵を握る転写因子SRFのコアクティベータMALの核移行がアクチン動態変化に応答する機構を解明するために、まず、importin-alpha:betaがMALの核移行受容体であることを明らかにした。次に、MALを直接認識するimportin-alphaとMALの複合体の結晶構造を解き、MALがbipartite型の古典的核局在化シグナル(NLS)をもち、NLSがMALのN末端のアクチン結合領域ドメイン(RPELドメイン)内部にあることを明らかにした。本研究ではさらに、MALのRPELドメインとアクチンの複合体の結晶化に成功し、SPring-8で3.6オングストローム分解能のX線回折データセットを収集した。分子置換法による構造解析により、MALのRPELドメインに5つのG-actinが結合し、アクチンが結合するとMALのNLSがimportin-alpha結合型のコンフォメーションとは大きく異なるコンフォメーションをとることが明らかになってきた。
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