2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンカスケードが関わるC/Nバランスとソース・シンク制御機構の全容解明
Publicly Offered Research
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
22114501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 淳二 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10183120)
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Keywords | ユビキチン・プロテアソーム / 代謝 / センサー / シロイヌナズナ / トマト |
Research Abstract |
陸上植物の高CO2応答の分子基盤の一つは,細胞内のC/Nバランス感知・シグナル統合装置(C/Nバランサー)にある。申請者らは,シロイヌナズナを用いた分子遺伝学解析から,C/N耐性変異体の単離とその原因遺伝子としてユビキチンリガーゼATL31を同定した[The Plant Journal 2009]。さらに,このUPS標的タンパク質として,GRF、(14-3-3)をはじめとする複数の候補の同定に成功した。これらの知見に基づき,現在細胞内C/Nバランサーの全容解明を目指し,そのシグナルネットワークについて検証を進めた。 計画1)ATL31を中心とした細胞内C/Nバランサーのシグナルネットワークの解明:ユビキチンリガーゼATL31/6がC/N応答に関与することを明らかにした。この標的としてのGRF(14-3-3)を実験的に証明した。 計画2)細胞内C/Nバランサーと器官間の代謝産物分配(ソース・シンク)制御に関する検討:細胞内のC/Nバランサーが器官間の代謝分配にどのように関与するかについて検討する。C/Nバランサー構成因子に関する各種形質転換植物体を材料として,生理学実験だけでなく,プロテオーム,メタボローム解析を実施した。現在その詳細について解析を進めている。 計画3)高CO2条件下における植物のC/Nバランス応答・成長制御の解析:高CO2条件下で生育させた植物を用いて,計画2)と同様の実験を実施する。シロイヌナズナだけでなくトマト(マイクロトム)を用いた解析も進めている。
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Research Products
(7 results)