2011 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングと画像データベースによる陸上植物孔辺細胞の高CO2応答の細胞学的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
22114505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馳澤 盛一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40172902)
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Keywords | 植物 / 細胞・組織 / 環境調節 |
Research Abstract |
本研究では陸上植物の高CO_2に対する細胞生物学的な応答機構を解明するため,シロイヌナズナを材料に用いて顕微鏡画像に基づいた網羅的な定量イメージング解析および画像データベース構築に取り組んだ.特に本年度は,採択初年度に立ち上げた高CO_2処理の実験系に基づき,高CO_2処理が気孔の密度と分布に及ぼす影響についての定量的解析と,気孔の分布変化との関連が示唆された細胞骨格系の一種である微小管についての可視化解析を実施した. 気孔の位置を正確かつ高効率に捉えるために孔辺細胞特異的にGFPを発現するシロイヌナズナ(Co1-0)のエンハンサートラップラインを材料とし,発芽後3-8日目における背軸側の子葉表皮の連続光学切片像を共焦点レーザー顕微鏡により取得した.なお,本研究で取得した画像は全て当研究室のホームページにて公開している(http://hasezawa.ib.ku-tokyo.ac.jp/lips/co2).一連の取得画像群から葉面積を測定したところ,高CO_2処理(1000ppm)により葉面積が増加する傾向が認められた.また,気孔の位置を自動抽出する独自の画像解析プログラムを用いて気孔の密度と分布を評価した.その結果,高CO_2処理により(1)気孔密度は顕著な変化が認められず,(2)最近傍にある気孔どうしの距離が狭まることがわかった.この気孔分布の変化は葉面積が3mm^2以上の比較的大きな子葉で顕著であったため,子葉の展開後に新たに発生した気孔の位置が乱れた可能性が考えられた.そこで,メリステモイドと孔辺母細胞が標識された株を観察したところ,高CO_2処理により既存の気孔に近い位置で新たな気孔が発生していることが確認された.
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Research Products
(8 results)