2010 Fiscal Year Annual Research Report
高CO2応答に関与する炭水化物シグナルの同定
Publicly Offered Research
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
22114516
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
徳富 光恵 (宮尾 光恵) 独立行政法人農業生物資源研究所, 光環境応答研究ユニット, ユニット長 (70181980)
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Keywords | 高CO2環境 / 光合成のダウンレギュレーション / 炭水化物の過剰蓄積 / イネ / 気孔 |
Research Abstract |
1)高CO_2環境シグナルの作用点の特定 イネを材料に、高CO_2環境がどの発達段階の葉に作用するのか検討した(作用点の特定)。窒素欠乏条件(元肥として、無肥料培土に標準窒素施肥量の1/3を添加)でイネを育成し、第6葉完全展開時に高CO_2処理(1000ppm)を開始し、新たに展開した葉身を順次解析した。その結果、葉面積当たりの水溶性タンパク質含量と気孔列数は、葉の発達段階の後期(P3あるいはP4;葉身が抽出前あるいは抽出中のステージ)の高CO_2処理で変化すること、一方、葉身の大きさ(厚さ、幅、長さ)は発達初期(おそらく葉原基の段階;PO)の高CO_2処理で変化する可能性が示された。現在、高CO_2処理条件と大気CO_2条件とで使用するグロースチャンバーを入れ替えて追試を行っている。 2)高CO_2環境を伝達するシグナルの探索 外部から添加した炭水化物が高CO_2処理と同様の応答を引き起こすか検討するため、水耕液にショ糖を添加し、新たに展開した葉がどのような影響を受けるか調べた。窒素欠乏条件として、0.5mM NO_3-を窒素源としてイネを水耕栽培し、第6葉完全展開時に水耕液に1%ショ糖を添加した。葉緑素計(SPAD)でクロロフィル含量をモニターしたところ、ショ糖添加時に展開中あるいはほぼ展開済みの最上位葉葉身のSPAD値が低下することが明らかにされた。
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Research Products
(13 results)