2010 Fiscal Year Annual Research Report
高二酸化炭素条件下で変動する遺伝子群とその進化起源
Publicly Offered Research
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
22114517
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
花田 耕介 独立行政法人理化学研究所, 機能開発研究グループ, 研究員 (50462718)
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Keywords | 二酸化炭素 / マイクロアレイ / トランスクリプトーム / シロイヌナズナ / 比較ゲノム / 重複遺伝子 / 植物 / バイオマス |
Research Abstract |
CO2濃度と植物の植生の変化関係をモデル化するためには、高CO2下での植物の応答機構をモデル生物で明らかにし、それらの機構がどの植物種にまで存在するかを調べることが重要になる。本研究では、高CO2応答にする遺伝子群の同定をシロイヌナズナで行い、それらの遺伝子の進化的起源を明らかにすることを目的とする。そこで、高CO2濃度(780ppm)に2時間、6時間、12時間、一日、三日、一週間および2週間暴露した二週齢のSeedlingの地上部から、mRNAを抽出し、花田らによってデザインされた全遺伝子の発現を調べることが可能なマイクロアレイで、高CO2下で変動する遺伝子を同定した。先行研究として、白色光、青色光、赤色光、遠赤色光、高温、冷温、高塩および乾燥の環境下で、どのような遺伝子が応答されているかを同定しているため、高CO2下と他の環境下のいずれかと共通して変動する遺伝子群、および高CO2下でのみ特異的に変動する遺伝子群を同定した。また、高CO2を利用し、植物体量の増加につなげる度合いを示した30アクセッションの定量値を用いて、CO2を効率に利用する際に関係があると考えられるゲノム領域も同定している。その結果、高CO2応答に関係する遺伝子がどのような遺伝子であるのかという概要を理解した。今後は、様々な方法で同定された高CO2に関係のある遺伝子の進化的起源を、比較ゲノム解析を用いて推測する予定である。また、対象遺伝子の中で幅広い植物種で保存し、かつペプチドホルモン様の配列を持つ短い遺伝子に関しては、連携研究者と協力して、過剰発現体を作成し、高CO2下での表現型を調べる予定である。
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Research Products
(3 results)