2010 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物細胞の核内非コードRNA分解経路に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
22115505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (40294962)
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Keywords | ノンコーディングRNA / 細胞核 / RNA分解 |
Research Abstract |
核酸アナログの一種である、bromo-uridineを用いたin vivoパルス標識法を応用して、細胞内における内在性RNA分解を測定する手法を確立した。この手法を5'-bromo-uridine immunoprecipitation chase(BRIC法)と名づけた。さらに、次世代シーケンサー解析と組み合わせることによって、ゲノムワイドにRNA分解を測定する新規手法を開発した。この手法を5'-bromo-uridine immunoprecipitation chase-deep sequencing analysis(BRIC-seq法)と名づけた。BRIC-seq法を用いて、ヒト培養細胞であるHeLa細胞におけるRNA分解をゲノムワイドに測定したところ、12000種類以上のメッセンジャーRNAと1200種類以上のノンコーディングRNA(合計13000種類以上)について、RNA分解速度を網羅的に測定することができた。 つぎに、メッセンジャーRNA分解速度とメッセンジャーRNAにコードされるタンパク質機能との間に何らかの相関があるかをバイオインフォマティクス解析を行った。その結果、分解の早いメッセンジャーRNAは転写因子やシグナル伝達因子などの調節性タンパク質をコードしていることが判明した。一方、安定なメッセンジャーRNAは翻訳因子や呼吸鎖関連遺伝子をコードしており、どの細胞にも発現していて、ハウスキーピング機能を有するタンパク質がコードされていることが判明した。したがって、RNA分解速度とその機能(メッセンジャーRNAの場合はコードするタンパク質の機能)との間につながりが存在することが判明した。
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Research Products
(1 results)