2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌化・老化を左右する新規非コードRNAの機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
22115508
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
神武 洋二郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90531963)
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Keywords | 長鎖ノンコーディングRNA / 細胞周期 / 細胞老化 / ポリコーム |
Research Abstract |
近年の大規模なトランスクリプトーム解析の結果、ゲノムの大部分の領域が転写されていること、その大半がタンパク質をコードしないノンコーディングRNA(ncRNA)であることが明らかとなった。ncRNAの中で最大の構成員をもつものはmRNAと同じような遺伝子構造をもつ長鎖ncRNAであるが、その機能はほとんど謎である。そこで本研究課題では、長鎖ncRNAの機能及び作用マシナリーの解明を目的とした。本年度の研究により、我々はINK4遺伝子座近隣に存在する長鎖ncRNA、ANRILが細胞老化を抑制することを明らかとした。INK4遺伝子座にはCDKインヒビターp15、p16及びp53安定化因子ARFがコードされている。ANRILをノックダウンすると、p15及びp16のmRNA量が増加し、早期細胞老化が誘導された。またRIPアッセイの結果、ANRILはポリコームタンパクであるSUZ12と結合することが分かった。さらにANRILをノックダウンすると、INK4遺伝子座上のSUZ12結合量が顕著に減少した。これらの結果から、ANRILの機能として、ポリコームタンパクと結合し、INK4遺伝子座へのポリコームリクルートメントを促進することにより、この領域の転写を抑制するというモデルが考えられた。
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