2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌化・老化を左右する新規非コードRNAの機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
22115508
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
神武 洋二郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90531963)
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Keywords | 長鎖ノンコーディングRNA / 細胞周期 / 細胞老化 / ANRIL / ポリコームタンパク |
Research Abstract |
近年の大規模なトランスクリプトーム解析の結果、ゲノムの大部分の領域が転写されていること、その大半がタンパク質をコードしないノンコーディングRNA(ncRNA)であることが明らかとなった。ncRNAの中で最大の構成員をもつものはmRNAと同じような遺伝子構造をもつ長鎖ncRNAであるが、その機能はほとんど謎である。そこで本研究課題では、長鎖ncRNAの機能及び作用マシナリーの解明を目的とした。本年度の研究により、長鎖ncRNAであるANRIL(Antisense non-coding RNA in the INK4 locus)が、細胞老化を抑制していることを明らかとした。さらにその作用マシナリーとして、ANRILはクロマチンサイレンシングに関与するポリコームタンパクと結合し、INK4遺伝子座へのポリコームタンパクリクルートメントを促進することを明らかとした。また、高解像度タイリングアレイ解析により、細胞周期制御遺伝子群(56個)の近隣に存在する216個の長鎖ncRNAを同定した。その中で、DNA損傷シグナルによって発現誘導される新規長鎖ncRNA、PANDA(p21 associated ncRNA DNA damage activated)がアポトーシスを抑制する機能を持つことを明らかとした。その作用マシナリーとして、PANDAは転写因子NF-YAと結合し、アポトーシス促進遺伝子群プロモーター上へのNF-YA結合を阻害することによって、アポトーシス促進遺伝子群の転写を抑制していることを明らかとした。
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