2010 Fiscal Year Annual Research Report
TNRC6タンパク質の機能解析によるmicroRNAシステムの動作原理の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
22115510
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三嶋 雄一郎 神戸大学, 理学研究科, 学術研究員 (00557069)
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Keywords | microRNA / 翻訳制御 / ポリA鎖 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
microRNA(以下miRNA)はmRNAに結合して翻訳抑制・mRNA分解・ポリA鎖短縮を引き起こす小型非コードRNAである。しかしmiRNAによる転写後抑制の分子メカニズムは未だ明らかになっていない。本年度は、ゼブラフィッシュを用いてmiRNAよる抑制機構の中核因子TNRC6Aタンパク質の作用機序の解析を行い、以下の知見を得た。 1)TNRC6Aの抑制活性を担うコアドメインを同定し、機能モチーフ解析を行なった。その結果、PABPC1と結合する既知のPAM2モチーフに加え、アミノ酸配列PPPGLを中心とする新規モチーフが翻訳抑制に貢献していることが明らかとなった。 2)miRNA/TNRC6Aによる翻訳抑制へのポリA鎖短縮の貢献を明らかにするために、in vivoにおいて脱アデニル化されない安定化ポリA鎖を開発した。この技術を用いてTNRC6Aによる抑制機構を解析した結果、ポリA鎖の短縮は抑制の必須ステップではないことが明らかとなった。 3)TNRC6Aに存在するPAM2モチーフとPABPC1との相互作用がin vivoにおいてmiRNAによる転写後抑制に必須かどうかを検証するため、ゼブラフィッシュ胚においてPABPC1の発現抑制実験を行った。その結果、miRNAによる抑制にPABPC1は必須ではないことが明らかとなった。 以上の結果より、miRNA/TNRC6Aによる転写後抑制にはPABPC1に依存しない機構が働いていることが初めて示された。
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Research Products
(5 results)