2011 Fiscal Year Annual Research Report
TNRC6タンパク質の機能解析によるmicroRNAシステムの動作原理の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
22115510
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三嶋 雄一郎 神戸大学, 理学研究科, 学術研究員 (00557069)
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Keywords | microRNA / 翻訳制御 / ポリA鎖 / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
microRNA(以下miRNA)はmRNAに結合して翻訳抑制・mRNA分解・ポリA鎖短縮を引き起こす小型非コードRNAである。しかしmiRNAによる転写後抑制の分子メカニズムは未だ明らかになっていない。昨年度までの解析から1)miRNAによる転写後抑制はTNRC6Aタンパク質のPAM2モチーフとP-GLモチーフによって仲介されること、2)miRNAによるポリA鎖の短縮は翻訳抑制の必須ステップではないこと、3)miRNAによる抑制にPABPC1は必須ではないことが明らかとなっていた。 本年度はこれらの結果をさらに詳細に解析し、以下の結果を得た。 1)miRNAによるポリA鎖の短縮は翻訳抑制には本質的に必要ないが、mRNA分解には必須であることが明らかとなった。このことから、miRNAによる翻訳抑制とポリ(A)鎖短縮/mRNA分解は独立の機構によってもたらされていることがわかった。 2)PAM2モチーフとP-GLモチーフの作用点を解析した結果、前者はPABPによる翻訳活性化を、後者はmRNAのキャップ構造とpoly(A)鎖に依存しない翻訳過程をそれぞれ阻害していることが強く示唆された。 3)上記2点と一致して、TNRC6タンパク質はポリ(A)鎖短縮化酵素と相互作用するが、その相互作用と翻訳抑制効果には強い相関がないことが明らかとなった。 これらの結果から、ゼブラフィッシュ発生過程におけるmiRNAによる転写後抑制には、PABPやポリ(A)鎖短縮に依存しない翻訳抑制機構が中心的な役割を果たしていることが明らかとなった。以上の結果は論文としてまとめ、Proceedings of National Academy of Sciences USAに投稿・受理された。
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Research Products
(5 results)