2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次クロマチン構造形成を制御する非コードRNA作用マシナリーの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
22115513
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中山 潤一 独立行政法人理化学研究所, クロマチン動態研究チーム, チームリーダー (60373338)
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Keywords | 分裂酵母 / ヘテロクロマチン / RNAi / RITS / クロモドメイン |
Research Abstract |
ヘテロクロマチンは、染色体の機能やゲノムの恒常性の維持に必須な高次のクロマチン構造である。分裂酵母を用いた研究から、ヘテロクロマチンの形成にRNAi機構が関与することが明らかにされているが、その分子機構の詳細には不明な点が数多く残されている。本研究では、RNAi機構において中心的な役割を果たすChp1に着目して研究を進めた。昨年度までの研究によってChp1が単独でRNAに結合できる事、またその結合に関与する残基を同定することに成功した。しかしその過程において、Chp1の持つRNA結合能が、メチル化されたピストンH3(H3K9me)の認識と共役していることを見出した。本年度はこの発見に基づき、Chp1のRNA結合がH3K9meの存在によってどのように変化するのか、まずNMR法によって解析した。Chp1がH3K9meと結合した状態でRNAを添加しケミカルシフトを解析した結果、Chp1のクロモドメインのC末端側の塩基性アミノ酸残基のクラスターにおいてケミカルシフトが観察された。実際にこの領域に変異を導入したChp1タンパク質を調製し、RNAゲルシフト法によってRNA結合能を調べたところ、H3K9me存在下で見られたRNA結合能が完全に消失している事が分かった。さらにこのアミノ酸変異を持たせたChp1を分裂酵母で発現させたところ、セントロメアヘテロクロマチンのサイレンシング異常が確認された。以上の結果より、Chp1が多段階でRNAと結合していること、また両方のRNA結合能がChp1の機能に必須であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)