2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子トラップによる、マウス初期胚パターン形成メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
22116505
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柊 卓志 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点教授 (00512477)
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Keywords | 細胞分化 / 発生生物学 / 哺乳類生物学 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規蛍光遺伝子トラップスクリーニングにより、ライブイメージングと遺伝子発現解析を同時に可能にする遺伝子変異マウス系統を樹立する。これにより、マウス初期胚でのダイナミックな細胞挙動のライブイメージング解析が可能になる。申請者が開発し当該分野をリードしてきた胚ライブイメージング技術、マウス胚発生原理の洞察を存分に生かし、当分野に長年必要であった研究資源の抜本的整備に寄与すると考えられる。具体的な目標は、 1. マウス胚に最初に確立する3細胞系譜(epiblast, primitive endoderm, trophectoderm)に特異的な発現パターンを示すトラップマウスを樹立。 2. これらマウス系統を用いたライブイメージングにより、胚パターン形成メカニズムの解明。 樹立に成功した107のファウンダーマウスの中に、計64ゲノムインテグレーションを確認、マウス着床前期胚でレポーター発現がある20のマウス系統を樹立し、初期胚での発現パターンの解析、トラップ遺伝子の同定、解析を行った。20の単離されたマウス系統のうち、8つもの、時間、空間特異的な発現パターンを示す系統があることが分かり(目標1)、ほぼ全てのトラップされた内在性遺伝子を同定した。さらに、発現レベルにばらつきのあるトラップマウスも5つ樹立できた。これらの4Dイメージング条件設定に成功し、初期胚パターン形成の動的メカニズムを明らかにしつつある(目標2)。現在、特に興味深い、Inner Cell MassとTrophectodermの分化のメカニズムについて洞察の得られる数ラインの詳細なライブイメージング解析、遺伝子発現解析を行いつつある。樹立したマウス系統は理研BRC(つくば)に委託開始した。
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