2010 Fiscal Year Annual Research Report
原腸陥入におけるミオシン分子の制御機構と役割の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
22116510
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田ノ上 拓自 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (10360588)
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Keywords | 極性上皮細胞 / 細胞骨格 / 形状制御 / 細胞構造 / ミオシン分子 |
Research Abstract |
哺乳類初期発生において、極性上皮細胞の細胞シートが曲がる、撓むなどをして組織の形状が決定される。また、極性上皮細胞のシートから細胞が逸脱することによって原腸陥入が引き起こされる。細胞シートが湾曲する際や原腸陥入の際には、湾曲している部分の細胞や逸脱する細胞は柱型からボトル型への形状変化を示す。すなわち、細胞のアピカル細胞膜領域の面積が縮小し、側部の面積が増大する。個々の極性上皮様細胞の形状制御機構の解明は、哺乳類初期発生の理解において必須の命題であると考えられる。極性上皮細胞の形状制御はアクチン骨格系のモーター分子であるmyosin IIが制御しているが、myosin IIがどのようにして制御されているのか、および、myosin IIの活性化によって細胞膜領域がどのようにして制御されているのかは明らかになっていない。本研究では、細胞生物学的アプローチを用いて、これらを明らかにすることを目的としている。具体的には、我々が極性上皮細胞におけるmyosin IIの活性化分子として同定したLulu分子の制御機構と下流の分子メカニズムについて解析する。 本年度、研究計画書に沿って研究を進めた。すなわち、Lulu分子に結合する分子を同定し、解析を加えた。Lulu分子のGST融合タンパク質を用いて細胞の抽出液からGST-pull down法によって結合分子候補を拾い、質量分析法によってそれらを同定した。その結果、Lulu分子がRhoGEFの一種と結合し、活性化することによって極性上皮細胞の形状を制御していることを明らかにした。現在、その研究知見を論文にまとめているところである。
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