2010 Fiscal Year Annual Research Report
Cardiolipinにより誘導される自然炎症と自己免疫疾患との関連
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
22117505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高村 祥子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00325599)
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Keywords | カルジオリピン / TLR |
Research Abstract |
本期間では、以下の点に関して検討した。 1.カルジオリピンのTLR4活性化機構の解析 TLR4を細胞表面に高発現している強制発現細胞ではカルジオリピンによる活性化が認められるが、脾臓細胞、マクロファージなどのnative cellではTLR4発現量が低いためか、活性化反応は認められなかった。むしろこれらの細胞ではTLR2,4など細胞表面TLRリガンドに対する応答抑制効果が見られたがこれはカルジオリピンがCD14,LBPなどに結合しTLR4リガンドであるLPSなどへの競合阻害として機能するという以前からの定説どおりであると思われた。一方でカルジオリピンが結合しうる分子の検討を行ったところ、カルジオリピンはTLR会合分子のひとつに結合するという結果を分子レベルでも、また独自に作製したモノクローナル抗体を用いることで細胞レベルでも得られた。さらにマウスを用いた結果からこのことが生体内でのカルジオリピンに対する抗体産生に影響している可能性があることなどがわかってきた。今後はこの会合分子がどのようなメカニズムでカルジオリピンに対する抗体産生へ影響しうるのかに関して検討を行う。 2.活性化に必要な分子の同定 上述のようにnative cellで活性化を認める細胞を見つけられなかったため、同定には至らなかった。免疫担当細胞以外の細胞でも検討していくと共に、TLR4強制発現細胞でのカルジオリピンによる活性化誘導に関わる分子の同定を行っていく。
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