2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織の自然炎症におけるRP105/MD-1シグナルと可溶型MD-1の機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
22117509
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長井 良憲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30431761)
|
Keywords | 免疫学 / 脂質 / 肥満 / 自然免疫 / Toll-like receptor |
Research Abstract |
1.遺伝子改変マウスを用いた脂肪組織炎症におけるRP105/MD-1の機能解析 野生型マウスに比較し、RP105 KO,MD-1 KOマウスでは、高脂肪食摂取による肥満、内臓脂肪の炎症、炎症性マクロファージの浸潤、脂肪肝、インスリン抵抗性が軽減していた。以上から、RP 105/MD-1が脂肪組織の慢性炎症、肥満、インスリン抵抗性の病態に関与することを見出した。さらにRP105/MD-1が抗肥満薬の新規標的である可能性も示唆された。 2.可溶型MD-1の産生機序と脂肪組織炎症における機能解析 可溶型MD-1を検出するためのELISAの実験系を確立した。その系を用い、高脂肪食の摂取により野生型マウスの血清中で可溶型MD-1が増加することを見出した。今後、その産生臓器・細胞を探索する予定である。さらに、可溶型MD-1の機能を探索するために、可溶型MD-1特異的モノクローナル抗体を高脂肪食摂取マウスに投与する実験を継続中である。 3.RP105/MD-1の内因性リガンドの探索と脂肪組織炎症との関連、RP105/MD-1を標的とした治療の基礎的探索 ヒト肥満におけるRP105/MD-1の機能を探索するための、抗ヒトMD-1モノクローナル抗体を確立することに成功した。また、RP105/MD-1の内因性リガンドを探索するための、内臓脂肪組織におけるRP105を免疫沈降する実験系を確立した。今後、リガンド探索をメタボローム解析を用いて行う予定である。
|