2010 Fiscal Year Annual Research Report
好塩基球におけるシステインプロテアーゼの認識機構
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
22117510
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
肥田 重明 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (10345762)
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Keywords | 好塩基球 / サイトカイン / アレルギー / プロテアーゼ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
多彩な抗原に対する免疫応答の方向性を決定するには自然免疫系細胞に発現する病原体センサーに依存したサイトカイン産生が重要である。自然免疫細胞の一つである好塩基球も多種多様な抗原やアレルゲン等に反応し、2型免疫応答に重要なIL-4やIL-6等のサイトカインを産生する。しかしながら、このようなアレルゲンに対する抗体非依存的な受容体やセンサー分子とその認識機構については未だ不明な点が多い。本研究課題では、特にシステインプロテアーゼによって培養好塩基球がIL-4等のサイトカインを分泌することに注目し、プロテアーゼセンサー分子の同定とシグナル伝達について明らかにする。 FcRγ欠損マウス由来の好塩基球では、プロテアーゼアレルゲンの一つであるパパインによってIL-4がまったく誘導されないことを見出した。さらに、レトロウイルスベクターを用いたFcRγの再構築でIL-4産生能が回復し、FcRγ-ITAM-Sykシグナル伝達経路がパパインによるサイトカイン産生に必須であることを明らかにした。これまでの成果によって幾つかのFcRγ結合受容体がパパインセンサーとして機能していることが明らかになってきた。しかしながら、FcRγ欠損樹状細胞では、パパイン刺激によってIL-6やIL-10を産生することから、細胞特異的な受容体もしくはシグナル伝達経路が存在している可能性が示唆された。今後、このプロテアーゼによるサイトカイン産生のシグナル伝達機構について、受容体の認識機構も含めて詳細に解明していく。その生理的役割の検証を通じて、アレルギー疾患を含めた様々な慢性免疫疾患の理解とその制御が本研究の成果として期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Critical role of Th17 cells in inflammation and neovascularization after ischaemia2011
Author(s)
Hata T, Takahashi M, Hida S, Kawaguchi M, Kashima Y, Usui F, Morimoto H, Nishiyama A, Izawa A, Koyama J, Iwakura Y, Taki S, Ikeda U.
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Journal Title
Cardiovasc Res.
Volume: 90
Pages: 362-372
Peer Reviewed
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