2010 Fiscal Year Annual Research Report
Mincleによる内因性リガンド認識とその破綻に伴う炎症性疾患の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
22117513
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 晶 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40312946)
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Keywords | C型レクチン |
Research Abstract |
C型レクチン受容体が、死細胞由来のSAP130を認識することを見出している。SAP130は細胞の生存維持に必須の分子であるため、欠損細胞/個体を用いた生理的意義の解析は困難である。そこで、SAP130を過剰に発現するマウスを作成し、自己炎症疾患、自己免疫疾患などの恒常性破綻が観察されるか否かを検討していくこととした。Chicken β-actinプロモーター下流にSAP130のcDNAを連結したTgベクターを作成した。組織における発現量、血中漏出量を高感度に検出することを目的として、また生理的/病理的条件下での会合分子の解析を目論み、SAP130のC末端には、精製担体と高親和性で会合し得るタグを付加した。その結果、発現量の異なる7ラインのファウンダーが得られた。これらのラインにおける血中炎症マーカーの変動、腎臓、心臓、肝臓など主要臓器における炎症所見の有無、自己抗体価、を精査している。 また、近年Mincleリガンドとして、結核菌由来糖脂質、トレハロースジミコレートを同定していることから、新たなdangerシグナルとしての内因性糖脂質の探索を行なった。ダメージを受けた組織、死細胞より、内因性糖脂質リガンドの分離、精製を試みた。まず、死細胞共存下でMincle発現レポーター細胞の活性化が検出できる条件を精査し、タイムコースを追って細胞並びに培養上清を回収した。各サンプルを脂溶性溶媒(クロロフォルム/メタノール)で処理し、さらにシリカカラムを用いてサブフラクションを得た。各抽出画分のリガンド活性を、レポーター細胞、野生型/Mincle欠損マクロファージを用いて探索中である。
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