2011 Fiscal Year Annual Research Report
自然炎症、及び病的な炎症における、ストレスタンパク質の役割とその創薬応用
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
22117515
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
水島 徹 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (00264060)
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Keywords | 自然炎症 / 病的な炎症 / ストレス |
Research Abstract |
前年度までの研究で各種疾患に有効であることが示唆されたストレスタンパク質に関して、その誘導剤の検索を行った。特にその過剰発現マウスが疾患に耐性を示し、かつ精製したそのストレスタンパク質を投与した場合、炎症反応を増悪しないストレスタンパク質に注目した。スクリーニングは、既存薬ライブラリー、及び漢方薬ライブラリーから行った。個々のストレスタンパク質遺伝子プロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子を挿入したプラスミドを作成し、それを保持した細胞を用いた系で一次スクリーニングを行い、イムノブロット法で二次スクリーニングを行った。毒性の少ない誘導剤を得たいので、三次スクリーニングではその既存薬・漢方薬の細胞毒性を調べ、細胞毒性を示さない濃度でストレスタンパク質を誘導するものを選択した。四次スクリーニングではその既存薬・漢方薬をマウスに投与し、目的のストレスタンパク質を誘導するかを検討した。以上のスクリーニングによりヤバツイなど複数の候補生薬、及びレバミピドなど複数の候補既存薬を同定した。 次にそれぞれの既存薬・漢方薬の効果を試験管内で評価した。効果が見られた場合、その効果が目的のストレスタンパク質誘導を介しているかを、siRNAによりそのストレスタンパク質の発現を抑制した場合、その効果が見られなくなるかで判断した。 最終的には、それぞれの既存薬・漢方薬を疾患動物モデルを用いて評価した。治療効果が見られた場合、その効果が目的のストレスタンパク質誘導を介しているかを、そのストレスタンパク質を誘導出来ないマウスでは、その治療効果が見られなくなるかで判断した。結果を総合的に判断し、それぞれの疾患治療薬として有望なストレスタンパク質誘導剤を決定した。
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Research Products
(3 results)