2010 Fiscal Year Annual Research Report
アダルトニューロジェネシスによるヘテロ脳回路の動的アセンブル
Publicly Offered Research
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
22120505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久恒 辰博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (10238298)
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Keywords | 海馬回路 / fMRI / コミュニケーション / 新生ニューロン / 光刺激 / オプトジェネティクス / チャネルロドプシン |
Research Abstract |
成体になっても、記憶をつかさどる海馬では、新しくニューロンが生まれ、新しく神経回路ができている。近年の研究から、この新しい神経回路は、社会コミュニケーションの成立に欠かすことができないエピソード記憶の形成や維持に深く寄与していることがわかってきた。そのため、新生ニューロンによって形成される新しい海馬回路を調べ上げること、すなわちアダルトニューロジェネシスによるヘテロ脳回路の動的アセンブルを明らかにすることは、コミュニケーションの脳内機構の理解につながる可能性が高い。本研究では、新生ニューロンによって形成される新しい海馬回路の活動を可視化解析することを研究目的とし、新しい研究手法であるOpto-fMRIを用い実験系の確立を行った。22年度の研究においては、fMRI画像データを、画像統計解析ソフトであるSPMを用いて統計解析するシステムの構築を行った。Thy1プロモーターの制御下で光感受性チャネルChR2(チャネルロドプシン2)を発現する遺伝子組み換えラット(東北大学八尾教授・生理研深澤助教より分与)を用い、光ファイバーを海馬歯状回部位に挿入し、MRI装置内で青色半導体レーザー光源(473nm)を用いて光刺激した。これらのMRIデータを脳機能解析ソフトであるSPM5を用いて統計学的に解析し、さらにこれらのデータの集団解析を行った。その結果、歯状回部位を光刺激することにより、その活動がCA3領域へと伝播することがSPM解析の結果から明らかになった。次年度は、この方法を用い、新生ニューロンの影響を見るために、放射線照射ラットを用いた解析を実施する。
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Research Products
(6 results)