2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起における脳内へテロ情報の統合メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
22120506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 敏明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (10391898)
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Keywords | 樹状突起 / 膜特性 / 統計的推定 / カルマンフィルタ / 隠れ状態 / 情報抽出 / 数理神経科学 / 統計神経科学 |
Research Abstract |
本研究課題の初年度にあたる本年度は,樹状突起における膜特性が示すヘテロ性を推定するために,統計的推定法の構築を行った.樹状突起が従うダイナミクスを組み入れたベイズ統計の枠組みを考案することにより,部分的に観測される雑音が重畳されたデータから 樹状突起における膜抵抗の空間分布を推定することを可能にするアルゴリズムを構築した.数値実験から得られるデータを用いることにより,我々の提案するアルゴリズムが,空間分解能が低く雑音が重畳されたデータに対しても有効であることを検証した.この成果を公表するために,日本神経科学学会や計測自動制御学会生体・生理工学シンポジウムならびに,日本物理学会で発表を行うとともに,東京大学や統計数理研究所での依頼講演を行った.この研究結果により,計測自動制御学会から生体・生理工学部会研究奨励賞を受賞した.さらに,膜特性がもつ不連続な変化を検出するために,ラインプロセスを導入した推定アルゴリズムを考案した.数値実験データを用いた検証により,雑音が重畳されたデータのみから,膜特性分布における不連続点が正確に検出されるとともに,膜特性の値も正しく推定されることが示された.この研究結果を,電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会,日本物理学会第66回年次大会ならびに日独計算論的神経科学ワークショップで発表するとともに,その内容を技術研究報告として纏めた.加えて,雑音が重畳された観測データからカルシウム濃度のダイナミクスを推定する方法を開発し,その成果を学術論文として纏めた.
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Research Products
(21 results)