2010 Fiscal Year Annual Research Report
全反射型赤外分光法による過渡的複合体の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
22121508
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
須藤 雄気 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10452202)
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Keywords | 生物物理学 / 分子認識 / シグナル伝達 / 膜タンパク質 / 受容体 / 光センサー / 赤外分光法 / イオンチャネル |
Research Abstract |
細胞内外の情報や物質のやり取りを行う"膜タンパク質"は、生命の維持に重要である。赤外分光法(FTIR)は、分子振動を鋭敏に捉える手法で、側鎖、主鎖、低分子(イオンや水など)の変化を報告し、これら変化が機能にも重要であることを証明した。このように過渡(中間)状態とのFTIR差スペクトルを解析することで、X線結晶構造解析やNMR解析では得ることが難しい、微細構造変化を解析することが出来る。本研究では、1)溶液交換可能な全反射型FTIR(ATR-FTIR)により、イオンや基質の結合による膜貫通型タンパク質の微細構造変化をアミノ酸レベルで明らかにすること、2)時間分解・低温FTIRにより、膜貫通型タンパク質が過渡的に構造変化する様子をアミノ酸レベルで明らかにすることを目指している。1)については、アニオン(Br^-/I^-)結合に伴う7回膜貫通型光受容体の構造変化をFTIRスペクトルとして観測することに成功した。現在はこれら変化が実際にどの主鎖・側鎖に由来するのかを、安定同位体標識及び変異体試料を用いた帰属を行っている。 実際に1743cm^<-1>のプロトン化カルボン酸に由来する信号をAsp102と帰属した(投稿中)。2)については、特異な発色団を持つ新規ロドプシン分子を単離し、低温FTIRにより構造変化を解析した[Sudo et al.J.Biol.Chem.2011]。さらにこのMRと命名したタンパク質を用い、時間分解FTIRにより、発色団が数ms以内にall-trans型から11-cis型へ異性化するというこれまでの常識では考えられない光化学反応を示すことを明らかにした(投稿準備中)。現在は、1)2)の研究をさらに押し進めるとともに、Secタンパク質(公募研究代表者より提供)やペプチドトランスポーター(共同研究者より提供)についての研究を開始している。
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[Journal Article] A microbial rhodopsin with a unique retinal composition shows both sensory rhodopsin II and bacteriorhodopsin-like properties2011
Author(s)
Sudo, Y., Ihara, K., Kobayashi, S., Suzuki, D., Irieda, H., Kikukawa, T., Kandori, H., Homma, M.
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 286
Pages: 5967-5976
Peer Reviewed
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