2010 Fiscal Year Annual Research Report
常磁性緩和効果を利用した準安定な複合体の構造解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
22121516
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
|
Keywords | 構造生物化学 / 生物物理 / NMR / 蛋白質 / 生体分子 |
Research Abstract |
【Rho-kinaseのスプリットPHドメインの構造解析】 低分子量G蛋白質Rhoの標的であるRhoキナーゼのC末端には、PHドメインのシーケンスの途中にC1ドメインが融合した領域が存在し、近年スプリットPHドメインと呼ばれている。我々はPROXYLを用いてスピンラベルを行い、その常磁性緩和効果をNMRを用いて観測して、距離情報を取得した。この情報をもとにスプリットPHドメインの立体構造を解析した。この際、スピンラベルは5カ所に導入した。またPREによる距離制限を満たすためにスピンラベルが持つ自由度を構造計算に反映させる必要があり、スピンラベルに関しては5つの異なるコンフォメーションを仮定し構造計算を行った。構造解析の結果、膜との相互作用に適していると推測されるサブドメイン配置を有していることを明らかにした。 【SHARP/SMRT複合体の構造解析】 SHARP (SMRT/HDAC-associated repressor protein)は転写共役抑制化因子であり、そのSPOCドメインにおいて転写共役抑制化因子SMRT/NcoRと相互作用する。本年度は、まずSPOCドメイン/リン酸化SMRT複合体の立体構造を決定した。その結果、SPOCドメインとの相互作用に重要と考えられていたSMRTのLSD配列のうち、Leuは疎水的な相互作用でSPOCドメインと相互作用していた。Serはリン酸化を受けることでSPOCドメインに分子認識され、Aspは静電的な相互作用をしていた。さらにLSDの上流にある保存されたTyrもSPOCドメインの溝と相互作用しており、我々はこのTyrの存在の重要性を見出した。SPOCドメインでSMRTの分子認識に重要と思われる残基の変異体を作成し、現在までに13個の変異体に関してSPRを用いてその相互作用への影響を確認した。
|
Research Products
(4 results)