2023 Fiscal Year Annual Research Report
Material search and investigation of spin-nematic state induced by spin-orbit interaction
Publicly Offered Research
Project Area | Physical Properties of Quantum Liquid Crystals |
Project/Area Number |
22H04462
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平井 大悟郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80734780)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スピン液晶 / スピン軌道相互作用 / 5d電子系 / ダブルペロブスカイト / レニウム化合物 / スピンネマティック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、5d 遷移金属酸化物の物質開発により、強いスピン軌道相互作用(SOI)のもとで発現する量子液晶状態を探索し、その特性の解明を目指します。温度に換算すると5000度にも達するSOI が働く 5d 電子系では、スピンと軌道の自由度が結合し多彩な量子相が発現します。その1つがスピンネマティック相です。そこで、2023年度は申請者らがすでに量子液晶状態の兆候をとらえているBa2MgReO6の類縁物質に対する詳細な測定からスピンネマティック相が化学置換によってどのように変化するかの解明を進めました。また、金属において電子液晶相を有すると考えられるCd2Re2O7の類縁物質の探索を行いました。 2022年度は、Ba2MgReO6に圧力を印加し、4万気圧以上の圧力においてスピンネマティック相が消失し、同時に磁気秩序が強磁性的から反強磁性的な振る舞いに変化することを明らかにしました。2023年度はMgサイトにより大きなCaとCdを含む固溶体を合成し、化学圧力によってスピンネマティック相が消失する近傍の物質を常圧において実現し、より詳細な相変化を調べました。この結果、磁気構造の変化はスピンネマティック相の消失と同時に起こるわけではなく、磁性が変化してもなおスピンネマティック相が維持されることが分かりました。また、圧力効果によって遷移金属同士の距離が変化し、電気四極子が大きな影響を受けることが相変化の主要な起源であることを明らかにしました。 Cd2Re2O7の類縁物質の探索では、同じ結晶構造を有するパイロクロア化合物を合成し、物性測定によりPb2Re2O7においてス電子液晶相の兆候を観測しました。純良な単結晶を用いて放射光X線回折実験を行った結果、過去の報告と異なる結晶構造を持つことが明らかになり、300K以下でCd2Re2O7と同じ型の電子液晶相が実現していることを明らかにしました。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(35 results)