2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development on zeolite membrane with precise control of the location of cation
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science on Nanoscale Structures and Functions of Crystal Defect Cores |
Project/Area Number |
22H04513
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
酒井 求 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (10732159)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゼオライト / 分離膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼオライト合成の基礎原理に立ち返って、ナノスケールから膜設計および合成を行い、ゼオライトの機能コアであるAlおよびカチオンの位置を原子スケールで制御したゼオライト膜の合成手法の開発を行った。また、Alおよびカチオン位置が膜の透過分離特性に与える影響について検討するため、膜内での吸着現象および拡散現象の評価に着手した。 合成時に用いる有機構造規定剤に、電気的に中性な分子あるいは4級アンモニウムカチオンを用いることで、Alおよびカチオン位置を制御したゼオライト膜の合成を試みた。合成条件(有機構造規定剤の種類、原料組成、合成温度・時間等)を種々に変化させることで、Alおよびカチオン位置を制御し、かつ結晶観空隙の少ないゼオライト膜の合成条件を見出した。 調製したゼオライト膜について、種々のガスおよびその混合物に対する透過分離特性について評価を行い、Alおよびカチオン位置が透過分離特性に大きく影響することを見出した。本研究で得られたゼオライト膜は、一部の混合物に対し、従来のゼオライト膜と比較して高い分離性能を示すことを明らかにした。 Alおよびカチオン位置が有効細孔径に与える影響について検討するため、分子サイズの異なる種々のプローブガスの透過速度を測定し、有効細孔径と透過の活性化エネルギーの評価に着手した。 本研究で得られた成果の一部については、学会発表を行ったほか、学術誌への論文投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度目標である、Alおよびカチオン位置を制御したゼオライト膜の調製と、その透過分離特性の評価を達成した。また、2023年度目標である透過分離メカニズムの解明に着手することができた。そのため、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度研究計画に沿って、ゼオライト中のAlおよびカチオン位置が、膜の透過分離特性に与える影響について検討を進める。 分子サイズの異なる種々のプローブガスの透過速度を測定し、有効細孔径と透過の活性化エネルギーを詳細に検討する。また、定容法吸着装置を用いた種々のガスの吸着等温線を取得し、Alおよびカチオン位置を制御したゼオライト膜の吸着特性の評価を行う。これらの手法で得られた吸着特性および拡散特性評価結果から、Alおよびカチオン位置が透過分離特性に与える影響について定量的理解を得る。
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