2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular dynamics simulations of the dynamic state of water molecules in aquatic functional materials
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
22H04542
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金 鋼 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (20442527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高分子 / 水和構造 / 水素結合 / 分子シミュレーション / ガラス転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
水圏機能材料における水分子は材料との相互作用によりバルクとは異なる性質を示し機能発現に寄与する。そこで界面近傍のミクロな分子描像の獲得は生体機能性・環境調和性の設計のために重要である。ただし水和水の研究の多くは様々な実験から、「不凍水」や「結合水」などの分類がされてきたものの、巨視的な描像に留まっていた。本研究では、分子動力学シミュレーションを用いた理論研究により、界面近傍にある水分子同士がどのように協奏し構造を変化するかを解明することにより界面水の分子描像を明らかにした。特に水分子の水素結合相手となる高分子官能基のアクセプター酸素に着目した詳細な水素結合状態の整理をおこなった。その結果、優れた血液適合性を示す高分子材料であるpoly(2-methoxyethyl acrylate)(PMEA)のメトキシ酸素と水素結合した水分子は水素結合の短時間での破断が起こりやすいが、その一方で10 ps程度の時間では拡散することなくアクセプター酸素近傍に滞留していることを見出した。さらに同様の解析をDipalmitoyl phosphatidylcholine(DPPC)から構成される脂質二重膜近傍の水分子に応用した。脂質二重膜近傍に存在する水分子は脂質頭部の親水基との相互作用を受けバルク水とは異なったダイナミクスを示すことが分光測定などにより議論されてきた。 本研究では、脂質二重膜近傍に存在する水分子の状態はコレステロールによってどのような影響を受けるかを理解することを目指した。その結果、水和水のダイナミクスがコレステロールの存在による膜状態の変化に伴い大きく変化することを明らかにした。これらの分子描像は実験ではアクセスし難い知見であり、今後より多様な水圏機能材料への応用と水和水描像の包括的解明が期待できる。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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